
最初の一歩 カーオーディオをより良い音で聴く為には色々な方法があります。知らないなりにもお金や手間を掛けてやれば、今までとは比べものにならない高音質を得られる事もありますが、あくまで今までより良い音になるだけであって、本当に良い音響を得るにはまだまだ遠い道のりが待っています。しかも、2度目3度目の買い換えともなると、高いお金を払っているのにほとんど変化が無かったり、かえって音が悪く感じる事もあると思います。 ヘッドユニット(センターコンソールに取り付けるデッキ部分をこう呼ぶ)に関しては、高額な物ほど高音質になるとは限りません。これは、特に日本の製品に関して言える事です。いくら高額な物を選んだとしても、それが音とは何の関係もない部分に掛けられた金額であれば、肝心な音を再生する部分に高級部品を使えるはずが無いのです。
まず、無駄なイルミネーションが最も目立ちます。しかし、いくら光ろうと音には関係ありません。それどころか、この点滅を制御する為のコンピュータがノイズを発生し、ヘッドユニット内で音を劣化させています。また、ここで電気を消費するという事は、アンプに流れる電気がそのぶんだけ減るという事です。ヘッドユニットの接続端子は非常に細く、電気の入る量が大幅に制限されていますので、内部で無駄に電気を使えば、それだけアンプに使える電気が減る事になり、アンプ本来の力を出せなくなってしまいます。表示をOFFにできるのであれば、最低限のみ表示して全て消しましょう。これだけでも、中〜高音域に混ざっているノイズが消えます。これから買い換えるのであれば、イルミネーションはなるべく少ない物にしましょう。数値表示があれば充分用途を満たします。
DSPも不要です。全ての音楽は録音スタジオやコンサートホール等で最も良い音が録音されています。となれば、これを忠実に再現してやれば最も良い音が聞こえる筈です。しかし、DSPは音を電気信号の状態で加工してしまいます。せっかく良い音で録音されているのに、再生で音を歪めてしまっては高音質とは言えません。ミュージシャンが聞いて欲しい本当の音を聞く為に、加工しない素直な音を再生する事。それこそ、高音質な環境と言えるのです。また、当然の事ながら音の加工にもコンピュータが使われます。これではイルミネーションと同じように音質を劣化させ、更に音を歪めて再生しているわけですから、DSPがあれば高音質だと言うのは真っ赤な嘘です。これもOFFにできるなら切りましょう。EQ(イコライザー)もなるべく使用しないほうが良いのですが、これだけは、どうしてもバランスが悪ければ微調整程度なら仕方ないと思います。
リアスピーカーも不要です。テレビからコンサートホールまで、演奏者に背を向けて聞く人はいません。つまり、音が再生される場所は聞き手より前にあるのが自然となるわけです。フロントスピーカーが無い車は仕方ないですが、フロントスピーカーがあるなら、あえて後ろから音を出す必要は無いでしょう。また、同じ音が複数のスピーカーから出てくると、特定の音を互いに打ち消し合って音のバランスを崩します。これが、フロントスピーカーのみで再生すると、音の定位(どの場所でどの音が鳴っているか)がはっきりします。これだけで、コンサートホールの後ろ端で聞いているようなどこで鳴ってるか解らない混ざった音から、前席中央で聞いているようなステレオ感が生まれます。とりあえず前後バランスを調整して、リアスピーカーから音が出ないようにします。これで、リアのアンプに流れていた電気もカットされ、フロントのアンプに充分な電気が確保されます。
音が前に並んだところで、左右のバランスを調整します。何も触れていなければセンターに調整されていると思いますが、前席中央に人が乗れる車というのはそう多くありませんし、常に中央に人が乗っているという事は無いでしょう。車を動かすのに必要な運転席が最も人の乗っている可能性が高い場所です。そこに音の中心を持ってくれば、最も利用率の高い場所で良い音楽が聴ける事になります。この際、助手席の事は忘れましょう。たとえセンターに調整してあっても、右側のスピーカーはドライバーの足に隠れてほとんど聞こえません。逆に、音の中心が運転席に合わせてあっても、助手席の人は気付かないでしょう。調整方法は、右ハンドル車であれば右を小さく左を大きくします。逆方向に調整しているといつまでも調整できません。まれに勘違いされる方がいますので、書いておきます。
これで、かなり違う感じになったと思います。今までと比べると物足りなく感じるかも知れませんが、それは、今までの音が全て偽りで作られていた嘘の音であったからに他なりません。どうしても納得できなければ、車からCDを取り出し、家庭用のコンポやヘッドホンステレオで聞いてみると、何が本当の音か解ります。あとは、その音が出せるように手を加えていけば良いだけです。
100円から出来る音質アップ カーオーディオの音質アップは、必ずしも高額とは限りません。高級なユニットをポン着けしただけで高音質だと思っている人は、まだまだカーオーディオの本質が解っていないと言えます。音質改善は、金額に比例するものではありません。基本的な部分は創意工夫で改善できるのが、カーオーディオの面白いところです。 まず、「ふすまの隙間埋めテープ」を用意して下さい。2m×2本で、100円ショップ等で購入できます。ホームセンターでは更に安く売られている場合もあります。細長いスポンジの1面に両面テープが貼り付けられている物で、金額によって材質や厚さ等が変わってきますが、最初は100円程度の物で行います。もしくは、防水性のある同様のテープが数百円で売られていますので、そちらを利用されても構いません。更に変わった物に興味があれば、それは各々で後日試して下さい。
この「ふすまの隙間埋めテープ」(以降、テープと表記)を、スピーカーの枠に貼り付けます。スピーカーは中央の震動する部分(コーンと呼ばれる)と、その外周に柔らかい部分があり、更に外側を金属のフレームが囲っていますが、柔らかい部分から内側に貼ってしまうと音が出なくなってしまいますので、柔らかい部分の外側に貼ります。柔らかい部分を囲むように、スピーカー前面に張り付けて下さい。これを貼る事により、スピーカーと前面にあるネットとの間に出来てしまう隙間を埋める事ができ、スピーカーから出た音が全て車内に届くと共に、スピーカー以外から出るノイズがネットを通って聞こえてくる事が無くなります。1周では隙間が埋まらない車の場合は、2周、3周と重ねて貼ってみて下さい。重ねて貼る事により、ネットに押されてテープが縮み、壁としての密度が上がります。これにより遮音性が格段にアップしますので、余ったテープを使い切るつもりで貼ってみても良いでしょう。ただし、貼りすぎるとネットが固定できなくなる場合や、テープがネットを塞いで改悪に繋がる場合もありますので、様子を見ながら程々にしておくのが良いと思います。
次に、スピーカーを外し、奥に見える面全体にテープを敷き詰めます。フロントコンソールに設置されているタイプのスピーカーであれば奥の面全体に、ドア等の広い空間であればスピーカーの面積より2倍くらい広く貼ると良いでしょう。これにより、スピーカー背面から出た音歪みの原因となるマイナスの震動をテープが吸収してくれます。車外への音漏れも改善されるので、プライバシー保護にもなります。(完全に遮音できるわけではありません。)この作業には大量のテープを使用しますので、何セットか購入しておくと良いでしょう。割高にならなければ、幅広のテープも作業効率が良いのでお奨めです。ただし、貼りすぎると低音が柔らかくなり、パンチ力が衰えますので、少しずつ調整しながら貼って下さい。こればかりは、使用されているスピーカーのサイズ、特性、車の形状等により異なってきますので、徐々に合わせていくしか方法がありません。また、後日きちんとしたデッドニングを行う予定であれば、その時に剥がすのが大変になるかもしれません。その場合には、超強力と書かれたシール剥がし液を使うと楽に剥がせます。ドア内側の場合は雨天や洗車時に進入する水や、湿気等によってスポンジが劣化する場合がありますので、音質が悪くなってきたと感じたら確認してみて下さい。これはスポンジという材質上仕方のない事で、正規のデッドニング材でもスポンジ状の吸音材は同様に腐食するので、価格による妥協ではなく、そういう物であると考えておいて下さい。
更に、ドア内張りや共鳴する内装の裏側等に張り付ける事によって、共鳴を抑える事ができます。ここで用いた物は、やはり100円前後で購入できる洗車用スポンジを用いました。内装と内側鉄板の間を完全に埋めるのに楽な厚みがあり、必要な厚さにスライスして用いる事ができます。スポンジの大きさ、硬さにいくつかの種類があり、選択肢が多いのも利点です。一部水分を含んで売られているスポンジもありますので、購入する時には気をつけて下さい。
更に広い面積になると、テープ類より屋内用・車内用の吸音材・防音材・防振材のほうが安くなりますので、用途に合わせて購入時に選択して下さい。切り売りのマットや絨毯なども使い方次第です。車内用は高額ですが、屋内用でも問題になる事は少なく、非常に安価に購入できます。
尚、本格的に行いたいのであれば、スピーカーに張り付ける材質は厚手のフェルトのほうが良いようです。
0円で出来る音質アップ お金を掛けない音質改善方法があります。それは、スピーカーから耳までの間にある障害物を撤去する事と、余計なノイズを出す物を減らす事です。 スピーカーから耳までの間に障害物があれば、そこで音が籠り、反響して音質が劣化します。理想を言えばスピーカーそのものが直接目で見える事です。スピーカーから耳までの障害物と言えば、必ずと言って良いほど存在するスピーカー前面のネットです。ネットを撤去できれば、スピーカーを直接見る事が可能になると思いますが、それでは万が一にでも足が当たればスピーカーを壊してしまいます。そこで、スピーカーを壊さない最低限の強度を保った上で、ネットを間引く事が、安全性と音質アップの妥協点という事になります。
車にもよりますが、ネット部分は「金属網・布地網・樹脂網」の3種類が主です。樹脂網の場合は、1〜2本おきくらいの間隔で間引いていくと良いでしょう。直接見えてしまいますので、丁寧に仕上げて下さい。もしくは、完全にくり貫いた後で内装に布地網を張り付けてやるのも1つの手です。家庭用オーディオを扱っている専門店などで自作スピーカーボックス用のネットが売られていますので、破れない程度に薄手で通気性の高い網を購入すると良いでしょう。もしくは、廃品扱いのBOXスピーカーからネットだけ剥がして使用するのも良いかもしれません。金属網のみの場合は、間引くと強度が落ちすぎるので難しいところです。布地網より音の通過は良好だと思いますので、手を加える必要は無いでしょう。また、金属網・布地網の場合は、その裏側に樹脂の補強が入っている場合がありますので、それを撤去します。布地網だけになったとしても、故意に蹴ったりしない限りスピーカーそのものに当たる事は無いと思いますので、思い切って樹脂補強をくり貫きます。画像は上から【樹脂網加工前・樹脂網間引き加工後・樹脂網加工前後比較・布地網表・布地網裏加工後】です。 ノイズを出す部分は、純正の内装であればネジの緩みによる共鳴の場合が殆どです。少しだけ増し締めすると解決する場合がほとんどですが、クリップ止めや大きなパーツ類は、裏側に防振材やスポンジを挟む等で対応して下さい。
後付けの部品が共鳴する場合は、設置場所を変更するか、厚手の両面テープで固定する、スポンジ等を挟むといった方法が有効です。内装との隙間が主な共鳴点ですから、そこを埋めるか別場所に移動する事によって解決します。
これだけで音がクリアになり、定位(何処で鳴っているか)がハッキリしてきます。見落としがちな作業ですが、こういった細かい部分にこだわるかどうかによって、激安サウンドと貧相サウンドとの差が出てくるわけです。
スピーカーの選び方 カーオーディオと言えば、ヘッドユニットやアンプといった電気を使う部分にばかり目を奪われがちですが、最も音質に影響を与える部分はスピーカーなのです。ヘッドユニットは信号を調節するだけですし、アンプは増幅するだけ。もちろん、信号を加工すれば必ず歪みは生まれますが、それとて実は些細な事で、信号を音として空気中に伝える部分がしっかりしていなければ何にもならないわけです。カーオーディオの世界ではデッドニングという作業が音質改善の方法として有名ですが、それとてスピーカー周辺の環境を良くし、スピーカーから出る音をしっかり伝える技に他なりません。それほど、スピーカーという存在が重要なわけです。 スピーカーを購入する際に、以外と見落とされがちで尚且つ重要なポイントがあります。それは、スピーカー表面からでは見えない、磁石の大きさについてです。
スピーカーは、信号線として入力された電気信号をコイルに流して電磁石化し、スピーカー背面に付いている磁石と反発させて震動します。つまり、電気信号と共に、この磁石がスピーカーの動力源、命の源と言えるわけです。強力な磁石になるほど微妙な信号による僅かな電磁石の力にも反応し、細かな音を再現できるようになります。大音量の中に隠された僅かなささやき、息使いまでもリアルに再現したいと思うのであれば、より強力な磁石を使ったスピーカーを選ぶように心掛けるべきです。
とはいえ、磁石の強さを調べさせてくれる店はほとんどありません。そこで目安になるのが磁石の大きさです。取り付け寸法の関係から、ほとんどのスピーカーは箱に磁石部分の大きさが書かれています。同程度の金額のスピーカーであれば、使用されている磁石の質もほぼ同等でしょう。となれば、磁石部分の寸法が大きい物ほど、より強い磁力を持っている可能性があるという事になります。また、広告の宣伝文句で「磁石がどうのマグネットがどうの」と言っている商品は、磁石のサイズが同じ物と比較すれば、強い磁力を持っていると言えるかもしれません。逆に、軽重量や小さな設置面積などを売りにしているスピーカーは、それだけ磁石も小型化されてしまい、強力な磁石を使っていない可能性が高いです。
ところで、再生するジャンルがある程度決まっていて、スピーカーに対する予算が5万円以上用意できるのであれば、海外の有名メーカーのスピーカーが購入できます。こればかりはカーオーディオ専門店に足を運ばないと購入できない場合が多いのですが、測定器とコンピュータの計算で作られた日本製のスピーカーとは異なり、職人が耳で聞いて開発していますので、同じ価格帯とは思えないほどのチューニング(調整)が行われているスピーカーが数多く存在します。そのぶん、職人のチューニングと合わないジャンルを再生した時には少々落ち目になりがちですが、機械任せで全てのジャンルを無難にこなすか、自分と趣旨の合う職人の技を求めるかという選択肢も面白いものです。ただし、数千円程度で購入できるものは、その程度のチューニングという事になりますから、このクラスの場合は機械任せのほうがクセが少なく良いのではないかと思います。これは好みですので何とも言えませんが、カー用品店以外にもカーオーディオの選択肢は沢山あるんだという事を覚えておいて下さい。
アンプの設置場所 よくトランクにアンプを並べている車を見掛けますが、それはある意味正しく、ある意味間違っていると言えます。オーディオの信号は短ければ短いほどノイズの影響を受けにくく、良い音を再生できますので、できるだけ最短距離を配線するべきであり、信号線が車の中をひたすら往復するようであれば、それば良い設置場所とは言えないわけです。 トランクにアンプを設置した場合、コンソールに設置されたヘッドユニットからの信号線が、車内を前から後ろまで通る事になります。ここでアンプからの出力がトランクに積まれたスピーカーに接続されているのであれば、片道のみでヘッドユニットからスピーカーまでの最短距離と言えるのですが、アンプからの出力がフロントスピーカーの場合、アンプから再度車内を引き回し、前方まで持っていく必要性が出てしまいます。これでは、配線を無駄に使い、ノイズを拾いやすくしているだけという事になります。
フロントスピーカーの場合、理想の距離はヘッドユニットから左右にまっすぐ配線する事です。フロントスピーカーに数百Wの大型アンプは不要ですから、アンプのサイズが小型の物を選び、コンソール裏に設置してしまえば、これほど理想に近い配線方法はありません。バッテリーがボンネット内に存在する車であれば、バッテリーからの配線も最短で済むという事になりますし、コンソール内で全て収まってしまえば、設置の手間も大幅に少なくなります。
とはいえ、ネットワークや複数のアンプを使う場合は、全てコンソール裏というのも難しいでしょう。そこで、運転席、助手席のシート下を使います。車によっては、助手席の足元に板を置いて一段高くし、その下に設置する方法もあります。この部分を使う事により、配線はおよそ半分の長さに縮められます。フロントスピーカー用アンプだけでもシート下に置けば、それだけトランク内もすっきりする事でしょう。ネットワークをコンソール裏に、アンプをシート下にとすれば、かなりの量が納められます。ノイズは高音に影響が出易いので、高音用から順番に最短距離を目指すと良いと思います。
なお、シート下を使う場合は、配線がシートレールに挟まれないように注意して下さい。なるべくマット下に納め、それでも露出する部分は太めのコルゲートチューブで覆っておくのも安全対策の1つです。
高音質を目指す為にも、そしてトランクを有効に使う為にも、機器類の設置は最短距離を心掛け、僅かなスペースを有効活用してください。
配線の引き回し 何を取り付けるにしても、配線がゴチャゴチャしたまま、ただ繋がれば良いって配線方法をしている人がいますが、これは大きな間違いです。特にオーディオの場合は、ノイズを拾いやすくなりますので注意が必要です。 車に対して縦方向に配線する場合、配線は大きく3つにまとめると良いです。それは、左右のサイドシル(サイドステップ)の脇とセンターの3カ所が、それぞれ距離が離れていて、なおかつ運転と居住性に最も影響を与えにくく、配線を隠すためのスペースが取りやすい事が大きな理由です。
配線の分類方法ですが、電源線、オーディオ信号線、その他の配線、の3つになります。特にオーディオの線は他の線の近くを通すだけで音質に影響を与えますので、極力離したほうが良いでしょう。その他の配線も、電源線に含まれるノイズの影響を減らす為に、別々に配線し、距離を保ったほうが誤動作の心配が無くなります。
ここで、その他の配線とは、車両に元から組み込まれた配線や、カーナビ等の配線の事を指します。これらの配線は頻繁に信号がON/OFFされ、ノイズの原因となると共に、外部からのノイズが逆流すると誤動作を起こす可能性があるわけです。元から組み込まれた配線を移動するのは大変ですから、まずはこれらの配線が何処を通っているか確認し、それ以外の2カ所を電源とオーディオ線に用いるように決めて下さい。
私のお薦めは、オーディオ線はセンターに、電源線はサイドシルに配線する方法です。ヘッドユニットが中央にありますので、オーディオ線をセンターに通す事によって、最短距離を配線する事が容易になります。また、電源線はボンネットやトランクルームからの引き込みになりますので、完全な中央から車内に引き込まれる事は少ないでしょう。これをサイドシルに持っていく事により、オーディオ線に極力近付けないようにする事が可能です。
また、それぞれの配線がどうしても交差してしまう場合は、なるべく直角に交差させ、できれば鉛板で広めに遮って下さい。これでノイズの介入を極力減らす事が可能です。オーディオ線にシールド線を被せるのも有効な手段ですが、この場合はシールド線の端を下流(よりスピーカーに近い方)の機器のアースに接続する必要があります。
このこだわりが、いかに重要であるかという事は、ある程度オーディオが出来上がってきた時に解ります。配線の引き回しで手を抜いたり、いい加減な引き回しをしていると、走行中にエンジンの回転音と比例したノイズがスピーカーから聞こえてくるようになります。こうなってから慌てて配線をやり直すとなると、また配線材の購入からやり直さなければならなくなりますので、取り付ける前から配線の設置場所を決め、その部分に綺麗に納めるように心掛けて下さい。ここまでやれば、ノイズフィルターの類は一切不要になると思います。
綺麗な配線は、次の配線作業の時に解りやすくて作業がはかどります。毎回テスターで調べないと解らなかったり、足元に絡んでくるような配線では、いつまでたっても面倒なだけで、良い音を楽しむことは出来ません。
配線の向き 高級ケーブルには、何故銘柄等が刻まれているか知っていますか?確かに、何処のメーカーのケーブルであるかを示すためというのが一番の目的なのですが、それ以外にも、配線の向きを知らせる為の物でもあるのです。 一般的に、配線に書かれた文字は左から右に読みます。まず、文字が素直に読めるように手元に置いて下さい。この時、左側から右側に電気が流れるように繋ぐのが、配線を用いる上でメーカーの想定している繋ぎ方とされています。
電源線であれば左側をバッテリーの+へ、アース線であれば右側をボディーアースへという向きになります。スピーカーケーブルやオーディオケーブルに文字が刻まれている場合は、よりスピーカーに近い方が電気の出口となりますので、右側をスピーカー寄りに繋ぐというわけです。
もっとも、これは必ずしも守らなければいけない事ではありません。配線の僅かな違いでも音に影響を与えるカーオーディオの世界では、あえて逆向きに繋ぐ事によって、音の出方を変えるというテクニックも存在します。
もし徹底的にこだわるのであれば、もしくは今ある素材で色々と試してみたいのであれば、配線の向きを逆にしてみるというのも、楽しみの1つではないかと思います。
ただし、オーディオ線とスピーカー線は、なるべく左右同じ向きにしておいたほうが、余計な音のバラツキを生まずに済むでしょう。
フェルトで音質改善 スピーカー設置場所ががデッドニングできない、もしくは困難であると諦めているのであれば、フェルトを使用するのも少なからず効果的です。 まず、スピーカーの直径の2倍程度の正方形のフェルトを用意します。これをスピーカー裏か、もしくはその外周の内装に貼り付けます。スピーカーの四隅のみに接着剤を着け、スピーカーを大きく包み込むようにするのがコツです。フェルトの中央がスピーカーの磁石に密着するような取り付け方では音質の低下を招きますので、注意が必要です。
これにより、スピーカーから出力された背圧がフェルトに吸収され、背圧の回りこみによる音質劣化を低減させます。フェルトで吸収できない出力に対しては、無造作に開かれた隙間から拡散して放出され、それぞれが互いを打ち消しあう事で、回り込む背圧の低減に繋がります。
スピーカーのサイズや音量で、フェルトの厚さや大きさを変更するのも1つの手ですので、色々試してみるのも良いと思います。
バッフルボード 車のスピーカー、特にフロントスピーカーの設置位置は、多くの車が鉄板や内装に取り付けられており、スピーカーの枠を叩くと取り付け位置が共鳴してしまう事がほとんどです。デッドニングによって鉄板の硬さを上げる事も必要ですが、それと共にバッフルボードという存在も忘れてはいけません。
スピーカーは細かく振動するため、直接鉄板に固定したのではいくら鉄板を厚くしようときりが無いほど必ず共鳴してしまいます。そこで、間にクッションの役割をする素材が必要となるわけですが、純正品で使われているプラスチック類の樹脂では鉄板同様共鳴してしまいますので、木材を利用して作り直します。当然木材も共鳴しますが、鉄板やプラスチック類のような雑音状の共鳴とは異なり、スピーカーの音をより良くする為の共鳴になります。家庭用のスピーカーも高級な物になるほどボックスがしっかりとした木材で作られていますので、少しでもそれに近い状態でスピーカーを取り付けるのが、スピーカーの実力を引き出す事になるわけです。一般的にはMDFという木材を使用するのですが、他の木材で作ってはいけないという決まりもありませんので、自由に選んで下さい。当然、木材の種類によって音質も変わってきます。手間を惜しまないのであれば、色々な木材を使って音の変化を聞き分け、好みの音が再現できる木材を選ぶのも楽しみの1つです。
作成の際には、内週はスピーカーが取り付けられるサイズ、外周は鉄板や内装の取り付け可能な平面サイズぎりぎりにすると良いでしょう。必ずしも円形ではありませんので、ダンボールや厚紙による型取りも重要です。平面サイズぎりぎりにする事によって、より広い範囲で鉄板や内装に固定できるため、総合的な強度が上がります。内装の裏に隠れる場合は、その内装に干渉して内装が取り付けできないといった事の無いように、厚さにも注意してください。ネジ穴を開ける時は、ボディへの取り付け位置とスピーカーの取り付け位置が別々になるようにします。ボディへの取り付けは、ネジの頭が皿になっているボルトを使用し、取り付け面の裏からナットで締めるように取り付けますので、そのように加工して下さい。元々ある純正バッフル固定用のネジ穴を利用すると楽ですが、穴が小さければ拡大する必要がありますし、より大きなバッフルボードを作成されたなら、新たなネジ穴が必要になってきます。なお、スピーカーとバッフルを1つのネジでボディに共締めしてはいけません。
切断が終わったら一度仮組みし、問題が無ければ表面を仕上げ、防水塗料を塗ります。車用の保護スプレーであるシャシーブラックという塗料での塗装は、プロのショップでも使用されている方法らしいので、無難かもしれません。木材ですから、湿気や水滴でカビないように仕上げます。
バッフルと取り付け面の間に隙間が開かないように、スポンジテープを貼ります。ネジ穴を塞がないように注意して下さい。二度と外さないつもりであれば、ブチルの両面テープで固定すると、より強度が上がります。ただし、間違ってもテープだけで固定しないで下さい。固定という意味では、テープ類はあくまで補助であり、しっかりとボルトやネジで固定しないと危険です。テープ類の本来の意味は、バッフルと取り付け位置との隙間を確実に埋める事ですので、間違えないようにして下さい。
あとは、ボディに取り付け、その後スピーカーをバッフルに固定するだけです。あとで何度も取り外しをするのであれば、鬼目ナットというものをバッフルに打ち込んでおくのも良いでしょう。
慣れてきたら、次のバッフルを作る時に、乗車位置に向けて角度を付けたり、表に出して内装と違和感の無いような仕上げを行うと、更に音質が向上が期待できます。
ウーファー ウーファーはサイズだけで全てが決まるわけではないのですが、BOXのサイズやデザインは実際に車に積めるかどうかというのもありますし、ユニット単体の性能はカタログを見たり直接音を聞いたりして選べば良いわけですから、まずは大きな目安となるウーファーのサイズと音の出方を紹介します。 一般的に、サイズが大きければ大きいほど低い音が出るという考え方をお持ちだと思います。確かにそれ自体は正しいのですが、大きなスピーカーにも弱点はあります。それは、反応速度が鈍いという事です。色々なサイズの団扇を想像して頂ければお解りかと思いますが、大きな団扇は1回で大量の風を送り込める反面、素早く扇ぐのはかなり大変な事です。これは団扇と空気の重さに慣性が加わる為で、小さな団扇と同じ力では反応が鈍くなるわけです。
ウーファー用のスピーカーには、小さい物で8インチ程度から、大きな物では20インチを超えるサイズの物もあります。しかし、搭載スペースがあるからと言ってやたらと大きい物を積むと、中高音に対して低音が遅れた状態になり、リズムが合わずに違和感のある音楽が再生されてしまいます。
どんなジャンルの曲でも無難に再生したいのであれば、8〜10インチ程度の物が良いでしょう。音のズレが少ないのでセッティングは容易になります。ただし、あまり低い音を再生する事はできず、音質は硬くなります。ある程度セッティングできるのであれば12インチ、クラシックなどのゆったりしたジャンルに限定するなら16インチ以上を選択すると、より低く柔らかい音を再生できるようになります。素早いリズムのジャンルは小型のウーファーで的確に反応させ、ゆっくりと残響音を響かせるジャンルは大型のウーファーで体の芯まで振動させるような低音を再生させるのが良いと思います。
また、ウーファーは指向性が無い(どこで鳴っているかを感じさせない)音を再生させるため、アンプからの出力はモノラルをお奨めします。ステレオに設定すると、左右に割り当てたスピーカーの音の違いが互いの音を濁らせたり、打ち消し合って特定の音域が小さくなるといった現象が起こる可能性があります。何処で鳴っているか解らない音にステレオの設定を行うより、全てのスピーカーで同じ音を再生するモノラルのほうが、こういった不要な音質劣化を低減させる事ができるからです。
ノイズフィルター 車の電源には非常に多くのノイズが含まれています。これらのノイズはオーディオの電源ラインから進入し、スピーカーに流れ込んで雑音を発生させる原因となります。エンジンが掛かると聞こえてくるザーといった音や、エンジンの回転数で音が変わるヒュンヒュンといった音、ウィンカーなど燈火類の点滅によるプチプチといった音などが、発生し易いノイズの例です。 これらを取り除く為にはノイズに対する何かしらの対応策を取らなければいけないのですが、できる限り使って欲しくないモノがノイズフィルターです。カーオーディオの各機器には、当然入ってくるであろう電源ノイズに関する対策が行われています。それらを超えるノイズが進入するという事は、バッテリーの容量不足か寿命、あるいは電源配線そのものに問題があると考えて頂いて間違いありません。よって、これらの対策をきちんと行えば、本来ノイズフィルターは一切不要なモノなのです。よほど評判の悪い機器ならいざしらず、普通の機器であれば純正品のラジオでもノイズは発生しません。
そもそもノイズフィルターとはノイズを吸収するものではなく、信号そのものをぼやかしてノイズを目立たなくするモノです。例えば人物写真では少しピンボケにしたほうがシワが目立たなくて綺麗に見えるという特殊効果がありますが、ノイズフィルターはそれと同じようなモノであり、所詮は誤魔化しのテクニックに過ぎないのです。確かにノイズは軽減されますが、そこに有るモノを無い事にするのは非常に困難であり、少なからずノイズは残り続けます。目立たなくするにはより強いボカした状態にするしかないのですが、そうなると電源自体もボケた状態になり、音自体にメリハリが無くなってしまいます。カーオーディオの機器類はノイズ対策こそ施していますが、本来の電源ではあり得ない、ボケた電源に対する対策は行っていません。それどころか、ボケた電源からは弱い力しか引き出せませんので、非力なままスピーカーを動かしてしまうため、大幅な音質劣化に繋がるわけです。
ノイズフィルターはそれなりに高価ですから、そのお金で配線材を購入し、きちんと配線処理を施したほうがずっと良い音が得られます。こういった追加部品に頼るノイズ対策よりノイズを拾う根本的な原因の究明を行ったほうが雑音を抑えられますし、きちんとした配線処理を施せば大音量で再生してもノイズが聞こえてくる事はまずありません。配線の太さや引き回し位置等を色々と検討し、何度も試してノイズの出ないオーディオ環境を作り上げて下さい。
デッドニング カーオーディオの音質改善と言えば、誰もが最初に思いつくのがデッドニングだと思います。ドアスピーカーの音質改善には欠かせない技ですが、ドア以外にも施す場所は沢山あります。デッドニングの基本は各部を共鳴させない事と余計な音を封じ込める事の2点ですから、ドアだけが良くなっても意味がありません。ドアが重くなっただけでデッドニングが終わったと喜ぶのは、まだまだ早いと言う事です。 しかし、何はともあれ最初は基本のドアからデッドニングします。主な手順は他の人のページで沢山紹介されていますので述べませんが、いくつか改善できるであろうポイントもありますので紹介します。
まず、ドアのアウターパネル(一番外側になる鉄板)の裏に防振材を貼ってからスピーカー裏のあたりに吸音材を貼りますが、多くの車のスピーカーは前方下部の端の方に設置されていますので、ここでスピーカー背面から出た音をドア全体に拡散できるように手を加えます。方法としては、吸音材を貼る前に斜めに切った硬質スポンジやMDF板を防振材に接着します。ドアの端に近い方は厚く、中央側を薄くするような形状です。材料はウレタンなどでも良いでしょう。薄い鉄板や木片等では共鳴してしまいますので向いていません。この上に吸音材を貼ってみて下さい。スピーカーの背面から出た音が斜めに反射してドアの中央に向かっていくため、隅に籠っていた音が低減されていると思います。ドアのサービスホール塞ぎに関しても色々な方法があります。一般的なのは防振材を一面に貼り付けてしまう方法ですが、これはドア全体がしっかりとした箱になる反面、ドアが重くなって開閉が大変になります。この重量感があってこそと言った好みは別として、ドアを極力重くしないサービスホールの塞ぎ方がありますので、重さが気になる方は参考にして下さい。
まず、木材を使って穴を塞ぐ方法があります。サービスホールと同じ形で少し大きめに板を切り、インナーパネル(窓ガラスより車内寄りの鉄板)と重なる部分をスポンジテープで塞いでネジ止めする方法です。内張りまでの隙間に制限があるので厚い板が使い難いという点はありますが、重量も防振材ほど増えないですし、木材ならではの聞き疲れしない柔らかい音が作れます。穴と全く同じサイズで作成し、縁の部分の何カ所かを金具で固定して隙間を防振材で塞いでいくという手もあります。薄すぎる板では共鳴してしまい逆効果ですから、ある程度の厚さは必要です。これは木の材質にも依りますので一概には言えませんが、10〜20mmは必要だと思います。あとはインナーパネルに防振材を貼るだけです。
次の材料は、レジャーシートです。青いスポンジの片面に銀色のシートが貼り付いている物です。このスポンジはそれなりに硬質なので、穴塞ぎに使えます。銀色のシートを穴の方に向けると防音性が高くなると思いますが、振動と熱で徐々に剥がれる可能性も予想できますので注意して下さい。縁の部分は接着剤かブチルの両面テープなどで貼り付けると良いでしょう。鉄板に触れる部分総てに貼って下さい。レジャーシートを2枚重ねにすると更に固くなります。ただし、スポンジは音を吸収してしまいますので、アウターパネルに貼る吸音材はあまり大きすぎないようにして、ドア内部で吸音する総量をあまり増やさないように調整したほうが良いと思います。追加で貼るのは楽ですが、剥がすのは大変ですので少しずつ調整して下さい。
更に、厚くて固いダンボールや、布テープを何重かに重ねて貼るといった方法もあります。これら軽量素材によるデッドニングは、ドア内部に拡散した音をサービスホールから出さないように塞ぐのが目的ですから、必ずしも決まった素材を用いなければいけないという事はありません。
ただし、木材を除くこれら軽量素材では絶対的な強度が不足する為、音を完全に閉じこめる事はできません。重量と効果の間で妥協しているので仕方のない事です。また、ドアの内側は雨水が浸入しますので、デッドニングに用いた素材が腐食する可能性があります。防水処理はしっかりと行って下さい。デッドニングに専用のシートを用いた場合、ドアロック等を操作する為のロッドがシートの糊に貼り付かないようにする為にコルゲートチューブを使いますが、コルゲートチューブが糊に貼り付いてしまってロッドの動きが重くなってしまう事があります。これはデッドニング方法のマニュアルそのままに作業を進めている人によく見掛けられる現象なのですが、少し考えればコルゲートを貼り付かせない方法を思いつくはずです。そもそも何故貼り付くのかと言えばそこに糊があるからであって、この糊を取り除いてしまえば総て解決するというわけです。しかも、糊剥がし液を使うといった手の込んだ方法をとらなくても、シートから剥がした台紙を裏返して貼り付ければそれで終わりです。台紙はロッドが触れる部分より少し大きめに貼っておくと良いでしょう。しかも、裏返すという事はシリコン処理が施された面がドアの内側に向きますので、台紙の防水にもなります。まさに廃棄物の再利用。これで今まで通りにドアノブが動きます。ロッドと台紙が直接触れると台紙が擦れて破れますので、台紙の保護と破れた時の保険としてコルゲートチューブはしっかりとロッドに取り付けておきます。
ドアの内張りや内装などの共鳴は、防振材で重量を上げて抑えるばかりではなく、隙間に何か挟み込んで押し合う力で止めた方が車重が増えずにすみます。中が広い空洞や可動部分の場合は仕方ないですが、ドア内張りであればすぐ近くにインナーパネルがありますし、内装の裏側には動かない部分が多数あると思います。これらとの隙間を埋め、テンションを掛ける事によって共鳴を抑制するわけです。隙間を埋めるには厚みのある洗車用スポンジなどを切って使うと安上がりで良いと思います。かなり厚めにして挟み込めば、内装が抑え付けられて共鳴が止まります。
これらを用いて軽量デッドニングを施せば、それほど重量アップせずに音質改善が見込めます。防振材を貼りつめたデッドニングと同じ音質にはならないかもしれませんが、若干効果が少ないとしても重量と音質の両方を取っている以上、多少は妥協が必要です。また、たとえ軽量デッドニングを施すにしても、アウターパネルとスピーカー取り付け位置周辺にだけは防振材を貼り、振動に対する強度を上げておいたほうが良いです。これはインナーパネルのデッドニング後にアウターパネルの処理を行うのが非常に困難である事からも言えます。
ドア以外にもデッドニングする場所は沢山あります。まず、オーディオの音にビリビリと共鳴する場所は手を加える必要があります。この場合取り付けビスなら長い物か太い物へ、クリップが緩んでいる場合は新しい物へ交換する事で収まる場合もあります。
路面から伝わってくる音も低減させると良いです。シートを外し、足元の内装を剥がして防振材を貼るのも有効ですし、フリーカットの絨毯などを敷き詰めるのも手です。足元に敷いてあるマットを厚手の物に交換したり、重ねて敷くという方法も立派な防音になります。後部座席のシート下にも敷けますし、すぐ下にマフラーのあるトランク底部にも有効でしょう。
ボンネット裏に吸音材の無い車は汎用の吸音材を貼るとエンジン音が静かになります。(エンジンに直接触れないように厚さを検討して取り付けて下さい。)タイヤハウスカバーに防音用のウレタンスプレーを吹きかけるのもロードノイズ低減になります。後部座席背もたれのトランク側にも何か貼り付ければ静かになります。探していけば次々と見つかりますので、それぞれに手を加えて快適な環境に仕上げて下さい。ロードノイズが減れば細かな音も聞こえるようになりますので、高音質化には欠かせません。スピーカーの周りだけでなく、車全体に手を加えて余計な音を低減するのが、本当のデッドニングというわけです。ところで、インターネット上には多くのデッドニング作業手順が紹介されていますが、個人のページでは正しい知識が無いまま掲載されている所も多いので、ここで訂正します。インナーパネルへのデッドニング材の貼り付けですが、サービスホールのみ塞いで作業を終了しているのは誤りです。アウターパネルに防振材を貼り付けて共鳴を防止しているわけですから、同じ鉄板であるインナーパネルも全面に防振材を貼り付けなければ意味がありません。それどころか、今までアウターパネルへ伝わっていた振動が全て跳ね返ってきますし、サービスホールから抜けていた振動も含めて全ての振動がインナーパネルを直撃します。これでは共鳴し易い環境になってしまいますから、インナーパネルはできるだけ全面に防振材を貼り付けるべきです。先ほど軽量部材の所でサービスホールを塞ぐだけと書きましたが、この場合はサービスホール部分の強度が弱いため、インナーパネルへの影響は少なく、逆にインナーパネルを防振すると軽量部材が音を閉じこめられなくなりますので、考えあっての事です。
最後に、D.I.Y.デッドニングではあまり知られていない技を公開します。それはドアの横部と底部です。ドアの外側と内側を固めて満足していませんか?ドアのデッドニングは箱を作る事が目的ですから、貼り残した面があっては意味がありません。もっとも、強度はありますので、防振材よりも吸音材を貼りつけたほうが良いでしょう。特にドアの隅にスピーカーが設置されている車の場合に、その近くだけでも吸音材を貼ってやると、低音の篭りが消えていきます。
エージング カーオーディオにとってエージングというのは非常に大切なセッティングの1つです。車のエンジンに慣らし運転が必要なように、カーオーディオの機器も慣らしをせずにいきなり高負荷を掛けてしまっては音質が一気に劣化してしまいます。エージングとは慣らしの事であり、機器本来の性能を引き出すための作業とも言えます。 エージングはどんなに技術があってもすぐには終わりません。地道に小さい音量で音楽を再生し、数時間毎に徐々に音量を上げていくと良いと言われています。ヘッドユニットもアンプもスピーカーも、何かを新しくしたらじっくりと慣らしを行って下さい。
機器によって異なりますが、最低でも数週間、長ければ1年近く掛かってやっと本当の音が出てくる物もあります。ですから、組み付けてすぐに買い換えてしまうのは非常に勿体ないです。また、購入早々に色々とセッティングにこだわってみたところで、しばらくすれば音が変わってしまうわけです。せめて2週間から1ヶ月は使い込み、それから微調整を行ったほうが良いと思います。普段短時間しか車に乗らない人であれば、更に日数が掛かる事でしょう。
スピーカーの類はエージングが進むにつれて音が柔らかくなったり、聞こえなかった音域まで聞こえてくるようになります。アンプなどの電気機器では動きの速い高音の信号から耳障り感がなくなったり、音の定位や音像がハッキリとしてきます。しばらくはその機器と付き合う事になるわけですから、最初から無理をさせず、しっかりと慣らしをして良い音を楽しみましょう。
エージングに難しい技術は要りません。大音量で再生できない事をひたすら耐えるだけです。これだけで音質アップするわけですから、耐え甲斐もあるというものです。
ツイーター フロントスピーカーと独立している別付けツイーターについてですが、皆さんは空いているスペースや外見上目立つスペースというだけで適当に張り付けていませんか?ツイーターはウーファーと異なり、取り付け位置や角度1つで全く違う音質と定位を作り出してしまう諸刃の剣です。適当に取り付けるくらいなら、フロントスピーカーと一体型になっている物のほうがずっと良い音を再現できます。 まず、ツイーターの選び方ですが、スピーカーの選び方でも紹介したように磁石が大きく強力な物のほうがしっかりとした音を再生できます。ツイーターは大きな音が出ないから気にしないといった考え方は大きな間違いで、大きな音が出せないからこそ、僅かな音をしっかりと再生できる物が必要になるわけです。磁石の大きさや強さが解らない場合は、ツイーター単体で重いほうが強力である可能性が高いです。
つぎに、ネットワークと呼ばれる存在もツイーターに無くてはならないものです。複数のアンプを使ってツイーター専用の出力を用意していれば別ですが、フロントスピーカーの配線から分岐して増設する場合は分岐部分からツイーターに接続するまでの間にハイパスフィルターと呼ばれる簡単な回路が必要になります。少し高級なスピーカーになると配線を分岐する部分にチャンネルディバイダと呼ばれるそれなりにしっかりとしたアダプタが付属するものもありますが、やっている事はほとんど一緒です。また、一見しっかりとした箱に複雑な回路が組まれていて頼もしく見えるチャンネルディバイダですが、複雑な回路はそれだけ信号を劣化させる可能性が増しますし、そこで使われている部品がコストダウンのために安い代用品で作られていては良い音が期待できません。この段階で音質劣化してしまうと、せっかくの別付けツイーターも音のバランスを崩すだけの存在になってしまいます。
そして肝心な取り付け位置と角度ですが、これは車種とオーディオの作り方次第ですので、共通したベストポジションというのは存在しません。しかも、必ずしもダッシュボードやドアミラーの内側が取り付け位置とは限らず、最近では足下へ設置して角度を上向きにする方法も増えています。これは音の定位を決めるツイーターを前方に置いてなおかつ耳から最も遠く離せる位置がキックボードであるという事と、直接耳に向けず上向きにする事で、音がより前方に存在するように感じさせる技です。フロントスピーカーとも近い位置になるので、高音と中低音がバラバラの位置にならないという利点もあります。また、聞き手を運転席に限定し、ハンドルの奥、メーターパネルの下あたりに取り付ける事によって、左右のツイーターの位置をドライバーから見て均等にするというのもあります。このように挙げればきりがないほど多種多様な設置方法がありますので、音を聞きながら色々と場所や角度を変えていくのが難しさであり楽しさでもあります。
ここからは少々知識のいる話になりますが、簡易的なハイパスフィルターを改造し、音質を簡単に向上させる方法を紹介します。ハイパスフィルターにはコンデンサーが使われていますが、これが電解コンデンサであればフィルムコンデンサに交換してください。耐久電圧や容量は同じ物を用いるのが無難ですが、カットしたい周波数を変更したければコンデンサの容量も変更します。コンデンサーが何なのか解らなければ勉強して下さい。カットする周波数とコンデンサー容量の関係や計算式も、多くの方々のWebページで解説されています。
背面の音を拡散させる 余程特殊な形をしていない限り、スピーカーから出る音は前後共に直進します。前方の音が直進する分には構わないのですが、スピーカー背面に出る音が直進するとすぐに鉄板に当たってしまい、これがそのまま反射するとスピーカーに当たって、次に出ようとする音の振動を妨害してしまいます。そこで、スピーカーの背面にお碗状のカバーを逆さまに取り付け、スピーカーから出た音を斜めに反射させてはどうかと考えました。まだ試していないので、あくまで一案として紹介します。 スピーカー背面の磁石部分に、お椀の底の面を貼り付けます。必ずしもお椀である必要はないのですが、イメージを伝える為に、あえてお椀として説明します。この時、貼り付けた面が共鳴しないようにしっかり隙間無く貼り付けます。また、底面以外も共鳴してしまいますので、お椀にお湯を注ぐように、ウレタン等を流し込んだり、防振材を貼り詰めたりしておくと良いでしょう。スピーカーの音が直接当たるであろうお椀の外側には、防音材や厚めの布地を貼り付けておくと良いと思います。
これは、デッドニングの項目で紹介している、防振材と防音材の間にスポンジゴムを置いて音を斜めに反射させる方法と同じ原理です。
バッテリー オーディオに関わらず、電装品を使う上で何より大切なのは電力の供給元であるバッテリーです。例え高級な機器を用いていたとしても、必要とする電力を得る事ができないのであれば、その性能を出し切る事はできません。 バッテリーの性能のうち、重要な物は3つあります。
まずは容量で、これが大きくなるほど大量の電気を蓄える事ができます。大量に蓄えておく事によって発電器の供給が追いつかないほどの消費を行った場合の限界が上がるわけです。また、バッテリーは蓄えられた電力が少ないと寿命が短くなり、満充電に近いほど長持ちします。容量が大きくなると同じ電力を消費した後でも残っている電力の比率が違ってきますから、バッテリーが上がる可能性が低くなります。残量が多ければ電圧の降下が起こりにくいので、使用している電装品は勿論、次のエンジンスタートに困る事も少なくなります。ただし、デメリットもあります。容量が大きくなるという事は、それだけ充電に時間が掛かるという事です。これはオルタネータと呼ばれる発電器に負担を掛ける事になりますので、あまり大きすぎる容量のバッテリーは、オルタネータの寿命を短くする原因となります。
次に、瞬間的に出せる電力の最大値があります。いくら容量が大きくても電気の出入り口が小さければ、必要とした電力を引き出せなくなってしまいます。一見どのバッテリーも同じように見えますが、同容量で低価格のバッテリーでは最大値が小さい傾向があるようです。もっとも、メーカー品というだけで値段が上がっているバッテリーもありますから、一概に価格だけで見極める事はできません。バッテリーのパッケージやカタログ等を参考に、容量と外見の大きさ以外のスペックも確認すると良いです。
最後に、バッテリーの寿命です。液体が内部に入っているバッテリーは1〜2回完全放電してしまうと寿命を迎えてしまいますが、ドライバッテリーと呼ばれる類の物は完全放電の耐久性が強く、中には数十回から100回を越える完全放電でも寿命にならない物も存在します。特に発電量より使用量が多くなりがちなカーオーディオやカーナビを使用している車では、バッテリーの消耗が激しいため、選択する価値はあります。ただし、エンジンを掛けずに使用する事が無ければ、余程の事が無い限り完全放電する事はありませんから、無理にドライバッテリーを選ぶ必要は無いでしょう。ドライバッテリーは寿命以外にも利点がありますから、それらを全て踏まえた上で選択して下さい。
バッテリーは無理に交換する必要はありません。しかし、何かしらの理由で買い換えるのであれば、せっかくですから良い物を選んで下さい。バッテリーを良質の物に交換する事によって、オーディオの音も更なる向上が得られるでしょう。
ダッシュボード下のスピーカー スピーカーの性能を活かす為には背面の音を外に漏らさない事が重要です。これは余程特殊なスピーカーや計算されて故意に開けられた穴を除けば全てのスピーカーに言える事で、たとえフロントスピーカーがダッシュボードの下に取り付けられていたとしても例外ではありません。しかし、ドアのデッドニングは数多く紹介されているものの、ダッシュボード下に取り付けられたスピーカーの音質改善方法を紹介している所はあまりにも少ないため、このタイプの車に乗っている人はドアのデッドニングを見て羨ましく思っていたのではないでしょうか? そこで、ダッシュボード下のスピーカーの音質を改善する方法を公開します。もちろん、ダッシュボード以外に取り付けられているスピーカーの音質改善もほとんど同じ方法で可能ですから、これを元に色々と考えてみて下さい。
作業内容を手短に説明すると、スピーカーの裏側に囲いを作ってスピーカーボックスを作成します。
まず最初に、スピーカーを外して、スピーカーの奥行きと背面の空間がどれくらいあるか採寸します。スピーカーには本来適したボックスサイズというものがあるのですが、車用のスピーカーに明記されているか不明ですし、元よりあまり広い空間は取れないと思いますので、なるべく大きなボックスを作る事に専念します。左右の音を同じにするため、できれば左右対称のボックスになるように計算してサイズを測ってください。
次に、MDF板などの木材を用いて箱を作ります。スピーカーのサイズや音量にもよりますが、10〜20mm程度の板で作ると良いでしょう。隙間があると音が漏れますので、接着剤やパテ等で埋めてしっかりとしたボックスに仕上げてください。防水用にシャシーブラックというカー用品の塗料を塗っておくと良いでしょう。あとは、箱の中にホームオーディオのスピーカー用に売られている防音材を貼り詰めて、スピーカーの奥にビスで取り付ければ完成です。
しかし、生活環境などで木材の加工ができない場合もあるでしょうから、その場合は別の箱を流用します。木材よりは劣りますが、作業は楽だと思います。まず、採寸した空間に収まるサイズのタッパウェアを購入します。スピーカーの外径や奥行きより大きくないと使えませんので、それだけは注意して下さい。深さに関しては切断すればいくらでも浅くできますので、深い物を選ぶと良いでしょう。これを取り付けができる浅さに加工し、スピーカーの奥に取り付けるわけですが、このままではボックスが共鳴してしまうため、デッドニングを行います。オトナシートや釣り用の鉛板をタッパウェアの外側にギッシリと貼り付けてください。内側にも貼り付けると更に効果的です。次に防音材を貼り付けます。これはできればカーオーディオ用もしくはホームオーディオの物を用いるのが理想ですが、入手困難であれば、隙間埋めテープを全体に貼り付けてもそれなりの効果は期待できます。これで箱は完成となりますので、接着剤や両面テープで貼り付けるか、もしくはL字金具等を用いてビス止めします。
なお、配線を通す穴が必要になりますので、使用しているコード、コネクタ、箱の取り付け方等を検討した上で、小さめの穴を開けて下さい。また、タッパウェアを用いた場合は、ドアスピーカー採用車の純正バッフル(樹脂製)に少し手を加えた状態とほぼ同等か僅かに上かといった程度の効果です。こればかりは、作業工程で楽をしている以上仕方のない事だと割り切ってください。
アンプのゲインの設定方法 カーオーディオのパワーアンプには入力ゲイン調整ボリュームというものがありますが、これはアンプが出力する音量を調整するものではなく、アンプに入力される信号を制限し、過大入力によるアンプ内部やスピーカー部分での歪みを抑えたり、破損を防ぐ為の物です。最も音量が小さくなるように回せば機材を破損させる可能性は低くなりますが、大きな音は出せなくなります。最も音が大きくなるように回せばより大きな音は出せますが、音が歪んだり機材を破損させたりする可能性が高くなります。この両端の間で調整し、音が歪まずに大きな音で再生できる位置に設定する事をゲイン調整と言います。 何故このような調整が必要かと言うと、ヘッドユニットから出力されるオーディオ信号の音量が、メーカーや機種によって異なっている為です。特定のヘッドユニットと専用のケーブルで接続するような外部アンプにはゲイン調整が存在しませんが、それは接続されるヘッドユニットが特定されている為、アンプに入力される信号の音量が決まっているからです。一般的な外部アンプは必ずしも開発時に想定したヘッドユニットに接続される保証はありませんので、どうしても必要な設定になります。
ゲインの設定は、いくつかの手順を踏んで行う必要があります。
まず、アンプのゲインを最も音が小さくなる位置に調整します。そして、アンプやヘッドユニット等、カーオーディオの機器全体が充分に馴染む(電気が全体に安定して行き渡り、各部品の温度が安定する)ように、2時間ほど使用します。
次に、調整用のCDを再生します。ヘッドユニットがCD未対応であればMD、カセットテープ等、できる限り音質の良いメディアを使用します。なお、FMラジオで受信するタイプのCDチェンジャーはFMラジオの音質そのものですので、ラジオの音質として判断して下さい。再生する音楽は何でも構いませんが、普段良く聴くジャンルの曲が良いでしょう。
ヘッドユニットの音量調整を徐々に上げ、音が歪む音量を探します。最大音量まで回しても判別できなければ、何度も聞き直して下さい。曲やアーティストを換えてみるのも1つの手です。
歪み始める音量が解ったら、その位置が最大音量である事を覚えておいて下さい。ハッキリと解らない場合は、少し小さめにしておくと良いでしょう。この状態でアンプのゲインを調整し、音が歪まない位置まで音量を上げます。アンプへの入力部分で歪んでいない筈ですから、この段階で音が歪むようであればアンプ部分の設定が問題であるという事になりますので再度微調整します。大出力アンプの場合は、歪みが発生しなくても普段再生する音量よりいくらか大きめに聞こえる位置で調整を終了しても良いかと思います。
全てのゲイン調整が終わったら、そのまま2時間ほど使用します。これはゲインを設定した状態で機材を馴染ませる為で、時間が経つにつれて音が僅かに変わってきます。左右のバランスや音の歪などが気になるようであれば、続けて再設定して下さい。設定を終了してすぐに電源を切ってしまうと、次に使用した時に大きなズレが発生し、安定しない場合があります。
やりすぎは劣化のモト カーオーディオに限らず総ての事柄について言える事ですが、あまり徹底しすぎると、かえって悪い状態になってしまう事があります。 カーオーディオの場合、デッドニングのやり過ぎが車をつまらない物に変えてしまう事があります。デッドニングの初歩としてドア周りに施しているうちは良いのですが、内装の共鳴部分を抑えこんだりロードノイズの低減を目指したりと手を加えていくうちに車の重量が増え、乗り心地の劣化や加速も減速も鈍い、かったるい車になってしまう事が多々あります。また、制振により今までその部分に逃げていた力が別の場所へ移動してしまい、負担となって更なるノイズを発生させる事にもなります。更に、ボディへの負担増加は溶接部分に集中し、溶接が剥がれる事による剛性劣化や車の寿命そのものを縮める事へと繋がっていきます。
もちろん、作り込んでいくほどお金も掛かるわけですから、車を劣化させる為にお金を注ぎ込んでいたのだとしたら、随分寂しい事ではないでしょうか?
何事もやり過ぎないように、扱う素材の材質や重量を考え、時には割り切る事によって、良い音と永く付き合える様に工夫して下さい。
カセットアダプタ カーオーディオの楽しみ方は人それぞれですが、何より大きな影響を受けるのが予算の問題だと思います。ヘッドユニットに何を使おうかと選べる人はまだ贅沢な方で、カセットデッキとラジオのみの純正ユニットを使っている人も数多くいます。特に親の車を借りている人は無闇に手を加えられず、はがゆい思いをしているのではないでしょうか。 これを改善する方法は色々あります。ドアに軽めのデッドニングを施したり、スピーカー取り付け面の奥に吸音材を貼るだけでも音質は大幅に改善されます。これなら車の使い勝手や外見の変化も無いので問題無いと思いますし、毎月コツコツやっていけば、かなりの低予算から始められます。
しかし、再生すべき音がラジオやカセットテープだと、どうしても音が篭った感じになってしまいます。この根本的な部分を改善する為には、やはりCDやDAT、少なくともMDやmp3を再生できる環境が欲しくなるでしょう。そこで、これらのポータブルプレイヤーとカセットアダプタ、もう少し予算があればシガーソケットからプレイヤーの電源を取るアダプタを用意し、これらを繋ぎます。シガーソケットから100Vを取れるアダプタと不要になったCDラジカセの組み合わせでもOKです。もちろん乾電池で再生しても問題ありません。ここで必要なのはCDやMDなどが再生できるプレイヤー部分ですから、あえて安い小型CDラジカセを使うのは結構有効です。何故なら、ピクニックなど車を降りて何かする時にも使えますから、割り切れば邪魔になりません。
そもそもカセットテープの音質が悪いとされているのは、テープそのものに記録されている情報量が少ない為で、決してデッキ部分が悪いわけではありません。つまり、テープの代わりにカセットアダプタを挿入し、そこにCD等の高音質信号を入力する事によって、デッキは良質な情報を得る事が可能となり、ユニットの持てる性能総てを使った音質を再現する事が可能になるわけです。
ところで、カセットアダプタは購入状態で使用するより、少し手を加える事をお勧めします。購入時のまま使用すると、カセットデッキの中で常にカラカラと音が鳴って結構気になると思いますので、これを静かにする方法です。かなり単純な作業ですから、改造は苦手と言う人でも簡単にできると思います。
まず、シリコングリスとドライバーを用意します。ラジコンやミニ四駆などを扱っている模型店で用意に購入できます。ドライバーのサイズが解らない場合は、カセットアダプタを持ち込んで店員に聞いて下さい。
ドライバーを用いてカセットアダプタを分解します。ほとんどのアダプタでネジは片面にしかありませんから、総てのネジを外したあと、慎重に上カバーを外します。この時大雑把に外すと、中の部品が飛び散って、何が何処に組み付けられていたのか解らなくなります。
分解が終わったら、中央の部品(テープを巻き取る部分のダミー部品)のギヤ部分やケースとの接触面総てにシリコングリスを塗ります。ケースとの接触面には少し多めに塗っておきます。この時にヘッド部品(テープに直接触れる事ができる部分のダミー部品)に触らないように注意して下さい。
グリスを塗り終わったら、元通り組み立てます。グリスがはみ出している部分はティッシュ等で拭い取り、アルコールをつけた綿棒で綺麗にします。そもそもカラカラ音はアダプタ内のプラスチック同士が当たる音で、部品の遊びが多い事から起る現象です。ここにグリスを塗る事によって、部品の自由度を奪う事無く遊びを減らし、緩衝材として音を音を和らげているわけです。何故シリコングリスかと言えば、一般的なグリスより粒子が細かく柔らかめで、それでいてオイルのように流れてしまわない。プラスチックの消耗も他のグリス以上に抑える効果がありますし、しかも少量の入手が容易で、何より白いので周囲に付着しても汚く見えないというポイントからです。
尚、カセットアダプタは一部のカーオーディオと相性の悪い物も存在します。純正ユニットの操作マニュアルには、実際に何処のメーカーが作ったかのヒント(問い合わせ先や送り先など)が書かれていると思いますので、カセットアダプタもユニットと同じメーカーの物を使用しておいたほうが無難だと思います。
サイドポケット ドアにスピーカーが取り付けられている車の場合、ドアにデッドニングを施す事によって音質が大幅に改善される事は上で紹介していますが、更に突き詰める方法として、サイドポケットに手を加える方法があります。 サイドポケットはほとんどの車に装備されており、地図や小物を入れ易くする為にU字になっています。材質はプラスチックやそれに近い樹脂で出来ている事がほとんどでしょう。
このU字というのが1つのポイントで、これは音叉に近い形になっています。音叉が何か解らない人は各自で調べてみて下さい。子供の頃に音楽室で意味も無く叩いた記憶があれば、これがどういった物なのかすぐに思い出せると思います。つまり、U字の片側を叩くともう一方が共鳴し、延々と音が響くアレです。サイドポケットでは内張り側がスピーカーの音圧で叩かれ続けるわけですから、当然サイドポケットも共鳴し、余計な残響音の発生となって音質の劣化に繋がります。また、材質としても軽く強度が弱いにも関わらず、防振材の貼り難い、もしくは貼り忘れる部分である事がもう1つのポイントで、しかも大きく、底面と両端部分のみの固定という極めて不安定な部分です。
内張りを完全にデッドニングし、びくともしない状態にすればほとんど問題にはならないかもしれませんが、内張りは振動する事で低音を強調し、スピーカーだけでは出し切れない音量をサポートますので、固めすぎては低音が出なくなってしまいます。つまり、内張りに多少の振動を残した上で、サイドポケットを振動させない方法が理想という事になります。
これには2つの方法があります。1つは完全に割り切ってしまう事で、サイドポケットを外してしまいます。そもそも共鳴の原因をあえて残す必要は無いと考えれば、最も単純な方法です。ポケットが無くなると、その部分からも低音が響くようになります。もう1つはサイドポケットに詰め物をしてしまう方法です。詰め物は共鳴する事の無い材質であれば何でも構いません。どれくらいギッシリ詰めるかで音質も変わってきますので、色々詰めて試してみると良いでしょう。
逆相もアリ デッドニングにより音がハッキリと出てくると、今度は何処で鳴っているかという音楽にとって最も重要な臨場感や音の定位等が気になってきます。 本当に音の解るプロショップが定位を出そうとすると、スピーカーの取りつけ位置や角度など、とても素人では難しいと思われる細工を大量に注ぎ込んできます。仮にこれらを全て真似てみたとしても、音と理屈が解っていなければ悪影響を与えてしまう事もあります。しかも多くの手間が掛かりますし、元の状態に戻すことは更に困難となるでしょう。もちろん作業を否定するわけではありませんが、カーオーディオに自分で手を加え始めたばかりの人にとっては非常に高いハードルではないかと思います。
ところで、フロントスピーカーのみで音楽を鳴らした時に、ボーカルが頭の中や後ろで聞こえたり、あるいは前であっても鼻先のあたりから聞こえてきませんか?ボーカルが中心で歌っているはずなのに、聞いてみると何処で歌っているのか解らないなんて事はありませんか?この現象、実は聞き手の耳に届く音が右と左で正反対(逆相)になっているために起こるのです。
「左右共にスピーカーを取りつける時は+と−を確認した。絶対に間違い無い!」と言う人も多いでしょう。そして、その事に間違いは無いと思います。しかし、+−を合わせた効果は左右のスピーカーから均等な距離を置いて聞くときに限ります。たとえば、体を捻ってヘッドユニットの前に顔を持って行き、そこで音の調整を行ったのであれば、ボーカルはヘッドユニットの中心でハッキリと聞く事ができるでしょう。ですが、運転中はシートにしっかり座り、頭はハンドルの正面にあるはずですから、本当の音合わせとはこの位置で行わないと意味がありません。先ほど行った調整と同じバランスで音が聞こえていますか?
左右の距離が異なる事は、車という限られたスペースの中では仕方の無い事です。ですから、この際オーディオ配線の一般常識は無視して、自分の耳を信じてみましょう。先ほど説明したように、人間の耳に入ってくる段階で音が逆相になっているのですから、スピーカーから出る段階で前もって逆相にしてしまえば、耳に届くところでつじつまが合います。
作業としては簡単で、片側のスピーカーを外し、配線の+と−を逆に繋いで戻すだけです。こんな簡単な細工1つで、今までぼやけていた定位が目の前にくっきりと現れてくるかもしれません。
鉛で仕切る カーオーディオには数多くの配線が必要で、ノイズを乗せない為には20cm以上離すなど、思いのほか難易度の高い面があります。しかもユニットの取りつけ位置がある程度決まってしまっているため、何をどうしても配線同士の交差が起こってしまいます。この場合、極力配線同士の影響を少なくするため、直角に交差させる事が定番となっており、最低限の交差で済むレイアウトで構築する事が望まれます。 この時に役立つアイテムが「鉛板」です。交差する部分を中心に配線に鉛板を巻くなどして、配線同士の影響をシールドします。これだけでノイズはかなり低減しますので、電源まわりのノイズに悩んでいる人も、そうでない人も、一度はやってみてください。
CDのカラーリング CDはレーザー光線でデジタル信号を読み込んでそれを音信号に変換します。しかも多くのプレイヤーがCDを暗いBOXの中に入れて読み込むため、レーザー光以外の光が読み取られてしまう可能性はかなり小さくなっています。それゆえ読みこみ部分での音質劣化はありえないと思われがちですが、それでも余計な信号を読み込んでしまうところがオーディオの深いところです。では何を読み込んでしまっているのか、その答えは簡単で、結論から言えばレーザー光を読み込んでいると言えます。何の事か解りませんか? 実は、レーザー光線ではないレーザー光が余計な入力という事になります。出力されたレーザー光線はCDに反射して特定の角度で読み取りレンズに戻されますが、その中の極一部はCDの樹脂を抜け出す事ができず、乱反射して次の信号を濁らせてしまいます。反射面がほんの僅かだけ誤った角度になっていた場合も同じような事が起こりえます。そこで、この乱反射を抑える細工を施します。
CDプレイヤーの多くは赤いレーザー光線を使用していますので、この光を吸収できる緑色を加えます。CDの読み取り面を塗装してしまうと反射したレーザー光線が正しく読み取れなくなり濁った音になってしまいますから、反射面以外の透明な部分を緑の塗料で塗ってみます。マジックペンで充分でしょう。
CDの枚数が多いと手間ですし、一度塗ってしまうと元に戻せません。それでも音がしっかりと出るようになりますので、まずは聞かなくなったCDで試してみてください。
マグネットストッパー スピーカーとは、電気信号をコイルに流して電磁石の力に換え、本体奥に取り付けられた磁石との引力・斥力によって振動を作りだし、それをコーンと呼ばれる一面に伝えて音を出すユニットです。つまり、音を出す為には電磁石が確実に動く必要があります。
しかし、電磁石が動こうとする力に対し、磁石そのものが動いてしまうスピーカーもあります。本当に極僅かな振動なので、手で触れたり目で見たりしても解らないかもしれませんが、仮に1秒間で1000回もの微振動を繰り返していた場合、1KHz以上の音は磁石の振動で劣化させられている事になります。
そこで、この振動を少しでも改善すべく、スピーカー裏の磁石の部分に細工を施します。磁石と金属部分の境目にバスコークを厚く塗って振動を抑えます。後々元に戻したいと思う人は輪ゴムを強めに巻いたり、とにかく動かない事を重視したい人は固い材質の物でガッチリ固めたりと、やり方は自由ですので色々検討して下さい。
これだけで、特に高音部分にメリハリが出ると思います。
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